月刊・教室だより

名物先生によるリレー連載(毎月20日更新)

【連載第210回】

素数

 皆さん、「素数」と呼ばれる数はご存知でしょうか?これは中学1年で出てくる数の名前ですが、早いと小学生で既に知っているという人もいると思います。入試にも素数を題材とした問題が中学入試や高校入試、大学入試のどの入試でもしばしば出題されます。素数は数学における未解決問題と関連することが多いのですが、その規則性などは未だに解明されておらず謎の多い数字です。
 元々、素数とは「正の約数をちょうど2個持つ自然数」と定義されており、具体的に並べると2・3・5・7・11・13…となります。「兄さん(2、3)5時にセブンイレブン(7、11)」といった語呂合わせで覚えている人もいるのではないでしょうか?今回は、この素数の中でも様々な名前がついているものがあるので、いくつか紹介したいと思います。

・双子素数
 素数同士の差が2である組の事をいいます。例えば3と5、5と7、11と13などの組です。

・いとこ素数
 素数同士の差が4である組の事をいいます。この名前は家系図の親等において兄弟が2親等(双子素数)に対して、いとこは4親等にあたるところから名付けたという説もあります。例えば3と7、7と11、13と17などの組です。

・回文素数
 「しんぶんし」といった逆から読んでも同じになる言葉を回文と言いますが、それの数字バージョンで元の素数を逆に並べても同じになる数の事をいいます。二桁の数は11のみで、他には101、131、151、181などです。

・エマープ(emirp)
 回文素数に似ていますが、元の素数を逆に並べても素数になる(同じ数にならなくてもよい)数のことをいいます。この名前は素数という英単語primeを逆に並べて名付けたようです。具体的には13と31、17と71、37と73などがあり、少し大きいと149と941などもあります。

・メルセンヌ素数
 これはフランスの数学者であるマラン・メルセンヌから名付けられた数で、(2の累乗)-1で表すことの出来る素数をいいます。具体的には3、7、31、127、8191…といった数です。

 最近、新たに最大の素数が発見されました。その数は「(2の136279841乗)-1」を計算した数で「M136279841」とも言われており、52個目のメルセンヌ素数です。桁数にすると約4100万桁の数になります。膨大な数まで調べられていますね。

相原先生