教室だより126

専任講師陣によるエッセイ(毎月20日更新)

【連載第126回】

文章問題

 数学には、文章のまぎらわしい問題がいくつもあります。例えば、

① 袋の中に赤球4個、白球3個入っています。A、Bの2人が、この順に1個ずつ取り出すとき、Aが白球、Bが赤球を取る確率を求めよ。
② ①と同じ条件で取り出すとき、Aが白球であったときのBが赤球を取る確率を求めよ。

 ①、②ともに、高校1年生で学習する「確率」の問題です。この分野は、その前に扱う「場合の数」とともに、問題文の意味が分かりにくく、苦労した人もいるのではないでしょうか。

 ちなみに①は、これから2人が取り出す状態での確率を求めるといったもので、3/7×4/6=2/7と求まります。

 ②は条件つき確率というもので、Aが白球を取り終えた後の確率を求めるというものです。つまり、袋の中に赤球4個、白球2個入っている状態から、Bが赤球を取る確率だけを考えればよいのです。したがって、4/6=2/3と求まります。ちなみに、この条件つき確率は、逆の「Bが赤球を取ったとき、Aが白球を取っていた確率」といったものも求められます。(答えは1/2)

 このように少しの文章の違いで求め方がまったく異なる問題が入試問題などでもいくつも出てきます。受験生は、そろそろ志望校の過去問などに手をつけ始める段階に入ってくる頃だと思います。問題文をしっかりと読むようにして、細かい部分を見落としてミスをしてしまうことのないように気をつけて下さいね。

相原先生