教室だより127

専任講師陣によるエッセイ(毎月20日更新)

【連載第127回】

『赤毛組合』と『南極点』

 英語の教科書には様々なテーマのお話が登場します。特に高校のReadingの教科書は種類も多く、教科書ごとに特色があります。定番は異文化紹介・偉人物語・最新科学。中には「スヌーピーのキャラ解説」「運命の人に出会う法則」「宇宙エレベーターの作り方」といった変わり種もあります。テストが終わると、「どんな話だっけ?」と内容を忘れてしまう人も多いと思いますが、あなたは英語の授業で出会ったお話しを、はたしていくつ覚えているでしょうか?

   「The Red-Headed League」
   「South Pole」

 前者は『赤毛組合』。原作コナン・ドイル。シャーロックホームズシリーズの短編の一つです。私が中学校2年の時、英語の副教材で出会いました。髪が赤いだけで謎の犯罪に巻き込まれていく男の話です。
 後者は『南極点』。人類初の南極点到達を目指すノルウェーのアムンゼンとイギリスのスコットの物語。通っていた塾のテキストに出てきました。
 どちらも推理小説や冒険小説が好きな人にはたまらない内容です。ネタバレは最小限にとどめたので、日本語版でもいいので是非とも一度読んでみてください。
 私にとっては、英語の授業で初めて知ったストーリーだったので、インパクトは強烈でした。あまりの神展開についつい英語の勉強をしていることを忘れるほどでした。物語の先を早く知りたいあまりに英和辞典を片手に予習してしまう始末・・・。気付くと4時間も英文を日本語に訳す作業をしている・・・。あれ?これが本来の勉強のあるべき姿のように感じたのは私だけでしょうか。
 教科書の中には一つぐらいは自分の興味のアンテナに引っかかる英文が含まれているものです。退屈な長文も、いつもとは少し違って見えるはず。そんな時こそチャンス。時間をかけて英語に取り組んでみましょう。英語長文アレルギー克服の秘訣は、案外そんなところにあるかもしれません。

小杉先生