教室だより134

専任講師陣によるエッセイ(毎月20日更新)

【連載第134回】

熱中症に厳重警戒!

 猛暑が続いています。「命に係わるかもしれない危険な暑さです」とテレビのアナウンサーが叫んでいます。こんなに暑さが続いたことがあったでしょうか? 生徒たちも、講師の面々も汗だくになって夏期講習を迎えようとしています。
 先日痛ましい事故がありました。
校外学習後に小1熱中症死―愛知・豊田/17日正午前、愛知県豊田市梅坪町の市立梅坪小学校(児童数730人)の教室で、校外学習から戻った1年の男子児童(6)の意識がなくなり、倒れたと学校から119番通報があった。児童は救急搬送されたが、間もなく死亡が確認された。重度の熱中症である熱射病と診断されたという。市教育委員会と学校によると、午前10時ごろ、1年生4クラスの112人が校外学習の一環で約1キロ離れた和合公園へ歩いて出発。虫捕りや遊具を使った遊びをした後、11時半ごろに学校へ戻った。11時50分ごろ、担任の女性教諭が男子児童の唇の色の異変に気付き、児童は間もなく意識を失ったという。児童に持病はなく、出発前の健康確認では異常を訴えていなかった。だが、公園に向かっている途中から「疲れた」と話し、ほかの児童からも遅れ気味になっていて、教諭が手を引いて歩いたという。出発前、学校が測定した構内の敷地の気温は32度。 最高気温35度以上が予想される「高温注意情報」が気象台から出されていたことも学校は把握していた。<朝日新聞2018年7月18日(水)朝刊>~
 校長らは、「判断が甘かった」と謝罪しているが、校外学習の目的が「虫捕り」であり、夏に実施した点は「問題ない」としているとのことでした。「これまで校外学習で大きな問題は起きておらず、中止する判断はできなかった。」と校長は語っています。<朝日新聞7月19日(木)朝刊>

 私は、本業の塾講師以外に、自分の子どもたちが卒園した幼稚園の活動や、卒業した小学校の学校支援本部に係わり、NPO法人杉並冒険あそびの会の活動もしています。朝から晩まで子どもたちと交わり、様々な行事を手伝ってきました。常に安全を考えていますが、はっとさせられたことは正直何回もあります。その中で考えさせられたのは、危機管理は、何か予測しないことがあった時にどう対応できるかが大切だということです。特に、大人の都合で予定を変えられないという状況が、危険を招くと痛感しています。
 予定を変えられない理由は、いくつかあります。
①去年も(前回も)同じように行事をやっているから大丈夫だろう。
②集団行動なので子どもたちがたくさんいるし、指導の大人もたくさんいて、目がたくさんあるから大丈夫だろう。
③今日までいろいろ準備してきたのだから、やめてしまっては無駄になる。そして別の日程を用意するのは大変な手間がかかる。
④気持ちを強く持っていれば少々のことは克服できるだろう。
 このようにして、弱い立場の子どもたちが苦労を強いられていくのです。私自身反省しながら、このニュースを聞きました。今後に活かしたいと考えています。

高橋先生