教室だより139
専任講師陣によるエッセイ(毎月20日更新)
【連載第139回】
シーモンキー
みなさんのお家ではペットを飼っていますか。犬・猫に始まり、鳥・ウサギ・魚・昆虫・両生類・爬虫類に至るまで、実に様々な種類のペットがいますよね。中には、アリクイやハリネズミを飼っている人もいるとか。私の家では子供の頃、九官鳥を飼っていました。名前は「九ちゃん」。お決まりですね。前の飼い主がガソリンスタンドで飼っていたため、車の物まねが特に上手でした。ブレーキ音・エンジン音・バックの音、器用に鳴き分ける美声に感心したものでした。
過去を振り返ると、「スピッツ」ブーム・「ウーパールーパー」ブーム・「シベリアンハスキー」ブーム・「ハムスター」ブームなど一時代を築いた動物たちもいました。今考えると、なぜあそこまで多くの人が夢中になったのかわからないペットもちらほら。中でも謎だったのが「シーモンキー」ブームです。
昭和40年代、インスタントライフの触れ込みで大流行したペットです。普通のペットと違って、生きている状態では売っていません。サラサラの粉が入っている袋を買ってきます。中に入っている魔法の粉を水槽に注ぐとあら不思議、数時間後には何匹ものシーモンキーが水の中を泳いでいます。私の世代だと、学研の付録や雑誌のおまけに、この魔法の粉がついていたものです。
シーモンキーの外見は、田んぼによくいるカブトエビに似ています。映画「エイリアン」の幼虫時代にも似ています。決してかわいくありません。むしろ気持ち悪いという人の方が多いかもしれません。なぜ人気があったのか本当に謎です。しかし、案外ブームとは、そういうものなのかもしれません。特に理由もなく、世間で流行っているから、みんな持っているから程度の気持ちで始まり、飽きてきた頃には、次のブームに移っている。
今回、改めて調べてみるまでは、シーモンキーがどこに生息していて、正式な名前は何なのか、私は全く知りませんでした。また、知ったところで人に話したくなるような驚愕の事実もありませんでした。あえて言うなら、「シーモンキー飼育キット」なるものが今も売られていることでしょうか(種類も豊富で、結構安い)。自由研究のネタに困っている人は取り組んでみてください。
小杉先生 |