教室だより143

専任講師陣によるエッセイ(毎月20日更新)

【連載第143回】

ロープウェイ模型

 皆さんはタミヤ模型を知っていますか。主にプラモデルやラジコンを作っているメーカーです。子供時代には、漫画やプラモデル作りが男の子の遊び方でした。もちろんスマホなどはありません。私は少年向けドラマの先駆けであるサンダーバードのプラモデルを作って遊んでいました。その中で、タミヤ模型は別格の模型でした。特に戦車が素晴らしく、キャタピラーを一つ一つ手作りするなど凝った作りで本格的でした。
 たまたま化学実験を検索していたところ、タミヤ模型のロープウェイ工作セットが目に留まり購入しました。ギヤチェンジで往復運転がキャッチコピーです。千円足らずのキットですが、完成するまで2時間、結構楽しめました。
<駆動系>
 ロープウェイは山頂駅または麓駅に動力があり、ロープを巻き取りながら回転させて搬器を上下に動かします。この模型では搬器の中にモーターを搭載しています。動力は模型用モーターの代名詞マブチモーターです。小学生時代はこの会社のモーターにお世話になりました。水中モーターというのもあって、船を動かすことが出来ました。モーターを分解すると、湾曲した2つの永久磁石とエナメル線をまいたコイルがあり、子供ながら技術者になったような気がしました。
<伝達系>
 モーターの回転数は速いので、ピニオンギアで減速させます。これと3つの歯車がかみ合わさるさまはザ・機械という感じです。この模型の最大の売りである自動往復運転は、前後に動く棒状スイッチが下にあるカムを左右に切り替えてモーターの回転を逆方向に転換するところにあります。私はこの調整に手間取って、完成させるのは駄目かなと思うこともありました。ねじを締めなおし、グリスを適切に塗布した挙句,模型は完成しました。
 たこ糸を空中に張りロープウェイを駆動させると、歯車音を立てながら左右の円盤にぶつかるたびに方向転換して見事ロープウェイは動き続けました。作ってみて感心するのは、接着剤を使わずに組み立てられたことです。子供たちも楽しめそうです。
 夏休みの宿題で、友達とクレーン車を作り選ばれて、校長室に展示されたことを思い出します。あの時も、角材や滑車の調達には、地元の模型屋さんのお世話になりました。昔は渋谷の百貨店の屋上にもロープウェイがあったそうです。乗ってみたかったですね。【写真→こちら(FB)

藤田先生