教室だより150

専任講師陣によるエッセイ(毎月20日更新)

【連載第150回】

面白い、ためになる入試問題

 問題集をめくっていたら、いい問題があったので紹介したいと思います。私立高校の入試問題です。少々長いですが引用します。多少短くアレンジします。


 視力検査では「ランドルト環(アルファベットのC)」が用いられています。ランドルト環は輪の一部が途切れた形をしています。視力検査表には5m用と3m用があります。5m用の場合、視力は、認識できた最小のランドルト環の開口部の幅を用いて、
 視力=1.5÷認識できた最小のランドルト環の開口部の幅(mm)
と表せます。
 3m用と5m用は、ランドルト環の高さが試験者からの距離に比例するよう設定されています。

【問題】
 3m用の視力検査表の視力0.5のランドルト間の開口部の幅は何mmか。

【答え】
 視力の式より、視力0.5のランドル環の開口部の幅は1.5÷0.5=3.0(mm)であるから、3mでは、3.0:x=5.0:3.0 より、x=1.8mmとなります。

 ところで視力検査には、赤と緑の背景の中に黒の二重丸がかかれているものがあります。「赤と緑のどちらがはっきり見えますか」と、メガネ屋さんで聞かれますね。この検査を「2色テスト」といいます。光が目の中のレンズを通るときに屈折して、緑色光は赤色光より大きく曲げられて屈折します。この時、赤色光は緑色光に比べて焦点距離が(1.長く・短く)なります。目の中では、赤色の像は緑色の像より(2.前方・後方)にできています。
 2色テストでは、近視のときに、度数がちょうどいいときは赤色と緑色の二重丸は同じくらいにはっきり見えますが、レンズの度数が弱いと、(3.赤色・緑色)の二重丸がはっきり見えます。このように、最も合った度数のレンズを調べるのが2色テストです。

【問題】
 ( )にあてはまるのはどちらですか。

【答え】
 1.長く  2.後方  3.赤色


 いかがでしたか。視力検査にまつわる知識を得られ、新鮮な気持ちになりました。このようなことは、学校の保健体育や理科などでは教えられているのでしょうか。私はランドルト環なる言葉を初めて知りました。
 いつもお世話になっているのに、なかなか知らないことがテスト問題によって明らかにされる。ためになる面白い問題でした。

 

藤田先生