教室だより154

専任講師陣によるエッセイ(毎月20日更新)

【連載第154回】

新しく大学生になる君たちに贈る30冊の本
~コロナ禍の今だからこそ読書に励もう~

 入試が終わり、大学生になるまでの1カ月半は、人生で最も自由を感じる時でしょう。好きなことに時間を使ってかまわないこの期間ですが、せっかく大学生になるのですから、みなさんには本を読むことをお勧めします。
 ここに紹介する本は、「大学生になったら本を読め、と言われても何を読んだらいいのかわからない」という生徒からの質問にこたえたものです。2015年以降に私が読んだ数百冊の本の中から、皆さんが手に取りやすく、かつ面白い30冊を厳選しました。

 世界の辺境とハードボイルド室町時代(高野秀行×清水克之)
 子供たちの階級闘争(ブレイディみかこ)
 アメリカの反知性主義(リチャード・ホーフスタッター)
 子ども兵の戦争(P・W・シンガー)
 災害ユートピア-なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか(レベッカ・ソルニット)

 人間の尊厳(林典子)
 僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー(ブレイディみかこ) 
 真実の終わり(ミチコ・カクタニ)
 民主主義の死に方(スティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラット)
 天災から日本史を読み直す(磯田道史)
 戦争と飢餓(リジー・コリンガム)
 「いいね!戦争―兵器化するソーシャルメディア(P・W・シンガー、エマーソン・T・ブルッキング)
 バッタを倒しにアフリカへ(前野ウルド浩太郎)
 僕と1ルピーの神様(ヴィカス・スワラップ)
 悪童日記(アガタ・クリストフ)
 キンダートランスポートの少女(ヴェラ・ギッシング)
 サピエンス全史(ユヴァ・ノア・ハラリ)
 AI.vs 教科書が読めない子どもたち(新井紀子)

 ヴェニスの商人の資本論(岩井克人)
 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行(ベネディクト・アンダーソン)
 本当の戦争の話をしよう(ティム・オブライエン)
 脳のなかの幽霊(K・S・ラマチャンドラン)
 逝きし世の面影(渡辺京二)
 鬼と鹿と宮沢賢治(門屋光昭)
 ワイルドスワン(ユン・チアン)
 生と死の倫理(ピーター・シンガー)
 大国の興亡―1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争(ポール・ケネディ)
 人類の星の時間(シュテファン・ツヴァイク)
 百年の愚行(池澤夏樹)
 ルポ雇用なしで生きるースペイン発「もうひとつの生き方」への挑戦(工藤律子)

 私の大学時代は、ギターを弾くことと、本を読むことに明け暮れました。貧乏学生だった私ですが、早稲田の古本屋街には足繁く通いました。駄本も数多く掴みましたが、面白い本に出会えた時の喜びはかけがえのないものです。
 大学生になったら、毎週1冊は本を読んでください。4年間で最低でも200冊、かならず自分の人生の糧となる本に巡り合うことができるはずです。

※当教室フェイスブックの3月8日の記事に、写真と簡単な書評も載せています→こちら

宮地先生