教室だより156
専任講師陣によるエッセイ(毎月20日更新)
【連載第156回】
甘酒とヨーグルト
2月から世界中を震え上がらせたコロナウィルスもようやく収束しつつあります。この間密集を避ける、マスク着用など感染を防ぐ対策が取られてきました。スーパーでは納豆が品薄になるなど免疫力を高めるために発酵食品が注目されています。
発酵食品といえば、私は以前からヨーグルトを自分で作ってきました。用意するのは1リットルのパック牛乳と市販の液体ヨーグルト、R-1が使いやすい。そして温度を一定に保つ電動ヨーグルトメーカーです。ヨーグルトメーカーは3千円ほどの値段で通販などで購入できます。
作り方は簡単です。牛乳パックの上部を開いて、加えるヨーグルトの分、牛乳を減らします。牛乳パックの中に液体ヨーグルトを半分くらい入れます。残りは飲んでもいいし牛乳の固まり方が遅いときの継ぎ足し用にします。ヨーグルトメーカーにセットした後電源を入れて温度を40度、時間を8時間に合わせます。時間が経つと固まって絹ごし豆腐のようになれば完成です。液体のままだったら残りの市販ヨーグルトを足してタイマーをさらに数時間後にセットすれば固まります。
うまくできたら味見してみましょう。温度や時間によって毎回少しずつ違ってきますがプレーンヨーグルト風の味であれば成功です。私はシナモンとオリゴ糖を混ぜて食べています。何回か食べてなくなったら残ったヨーグルトを新しいパック牛乳に入れて機械をセットすれば8時間後に次のヨーグルトができて事実上無限にヨーグルトが作れます。ただし雑菌が混じることがあるので毎回新しい材料で作るほうが正しいのは言うまでもありません。
同じ機械で甘酒も作れます。この場合発酵の最適温度は60度ですので60度まで目盛りのある機械でないと作れません。用意するのは炊きたての御飯と水、それに米こうじです。米こうじはスーパーなどで売っています。炊きあがったご飯を縦長の耐熱ガラス容器に入れ水を加えて60度くらいに冷まします。その中に米こうじをひとつかみ入れてかき混ぜます。ガラス容器を機械にセットして温度を60度時間を13時間にセットすればあとは待つだけです。固形の御飯がお粥状になったら出来上がりです。面倒ですがよく洗った牛乳パックでも大丈夫だと思います。冷蔵庫で冷やして食べてみるとなんとも言えない甘さが感じられます。
甘酒もヨーグルトも身近な材料で安価に作ることができます。こうじも一袋で5回分作れました。本来こうじ菌は時間ごとに倍々で増えていくので大量に入れる必要はないのです。生物学的に言えばヨーグルトは乳酸菌による発酵であり、甘酒はこうじ菌により米を糖化したものです。甘酒の温度が高いのは乳酸菌の増殖を防ぐためです。
幼少の頃父親がよく甘酒を造っていました。昔は温度管理が難しくうまくいかないこともあったようです。いまは便利な機械があるので一年中甘酒やヨーグルトを楽しむことができます。神田明神の参道ぞいに甘酒店が並んでいますが自分の甘酒もそれに劣らないいい味がします。
藤田先生 |