教室だより160

専任講師陣によるエッセイ(毎月20日更新)

【連載第160回】

数遊び

 小学4年生で学習する算数の中に、「計算のきまり」という単元があります。これは、カッコや四則計算が混ざって出てきた時に、どの順番で計算をしていくかを学習していく単元です。
 私はこの単元を授業で扱う時に、必ず「数遊び」のようなことを取り入れています。それは、一人の生徒に1桁の数字を4個決めてもらい、みんなでその数字を使った計算式で答えが10になる式を見つけるというものです。これは10パズルや切符ゲームという名前がついている遊びで、私が小学生や中学生の頃は、電車の符号に書いてある4桁の番号や車のナンバープレートの4桁の番号の数字を使ってよくやっていました。今は切符を買って電車に乗るよりも、ICカードに現金をチャージして乗るという子が多く、中には切符を買ったことがないという子もいます。なので、日常の中での数遊びというものは、昔に比べて少なくなってきているようです。ただ、生徒達に聞いてみると、ほとんどの学校で「ジャマイカ」という同じような数遊びをする道具があるそうです。
 「ジャマイカ」は、中心に10~60の10の倍数が書いているサイコロがあり、その周りに1~6が書いてある黒いサイコロ1個と白いサイコロが5個あるそうです。それらを回転させて出た目の黒のサイコロの合計になるように、白いサイコロで式を作っていくんだそうです。私の時代は4つの数字だったので、今の方が難易度は上がっているようです。ちなみに私が遊んでいた10パズルの方ですが、0000~9999までの1万通りの数字の中で、10が作れるものは8147種類あるそうです。ネットで探してみると、数字を入力すると、作れるものは式を答えてくれるというものもありました。便利な世の中になりましたね。
 他の数遊びをもう1つ。同じ数字を何個か使って、答えが1、2、3、…となる式を順番に作っていくというものがあります。これは最もよく使われるのは4を4個使って作るというものですが、4を2つ並べて44と2桁にしてもよかったり、特別ルールを設けてやることもあります。特別ルールなしにカッコと+-×÷と1桁の4を4つ使うだけで答えが1~9になる式はすべて作れます。興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。

相原先生