教室だより17

専任講師陣によるエッセイ(毎月20日更新)

【連載第17回】

昔嫌いが、今は好き

 先日、塾に向かう途中で卒業生に偶然会いました。しばらく色々話していたのですが、その中で、「また、数学とか勉強したいなぁ」と言っていたのが、すごく印象に残りました。
 そういえば以前も、他の卒業生達から、同じようなことを言われたことがありました。当時勉強していなかったわけではないのですが、率先して勉強するというタイプでもなかった彼らが、なぜ今になって、このようなことを言うのか、少し疑問に思ったのですが。やらなければいけない、テストで点数をとらないといけないという強制的な立場から解放された自由な立場になった今だから、言えることなのかもしれないですね。

 そういう私も学生時代は、国語、社会は、「超」のつくほど嫌いな教科でした。特に社会は、テスト前に必要な用語を暗記する程度の勉強しかしなかったため、内容は全く分かっていませんでした。なにせ織田信長・豊臣秀吉・徳川家康が同じ時代に生きていたことを知ったのも、大人になってからですから。そんな私が、なぜか歴史に興味をもつようになり、テレビの時代劇などが楽しく感じるようになったのです。それはきっと自由に勉強できる立場になって分かった、自分のやりたかった勉強の一つだったのかもしれません。
 今では旅行に行くと、決まって城などを見学に行っています。おそらく今、歴史の授業を受けたら、ものすごく充実した学習ができるに違いありません。学生時代にこれができていたらと以前は後悔しましたが、この教訓が生徒達に生かせればと思い、日々授業に取り組んでいます。

 苦手だと思っている教科も、少しリラックスして勉強してみると、案外面白く思えるかもしれませんよ。ただ私の場合、残念ながら、いまだに国語には興味をもてずにいますが…。

相原先生