教室だより18

専任講師陣によるエッセイ(毎月20日更新)

【連載第18回】

辞書とチャーハンと私

 最近、本の辞書よりも電子辞書を使っている生徒が多くいるように思います。英語関係だけでも数冊、国語・古語・百科事典・単語集のチェックリストまで、あのコンパクトなボディに収録されているから驚きです。本に換算した時の重量を考えると恐ろしいですね。また、付録として豆知識やクイズがついていたり、果てはワンセグ内蔵と、「辞書ですよね?」とつっこみたくなる代物まで登場しています。
 私はいまだに本の辞書を使っていますが、電子辞書をあやつる生徒と単語を引くスピードを競ったり、「もっと下の方へスクロールして!」などと目的の項目へナビゲートしたりしています。

 学生時代、よく使いこんでいる辞書は、1ページ1ページ適度にほぐれていて、とても使いやすかったことを覚えています。「おまえのあの辞書、あそこのチャーハンみたいやなあ」と、よく言われたものです(部活帰りによく行った中華料理店のチャーハンは、一粒一粒パラパラで、とてもおいしかった)。また、カバーが本革張りの辞書は、通常版に比べて高価でしたが、使えば使うほど味が出て、愛着がわいてきたものです。

 さて、あらゆる物が電子化・デジタル化する今日、あなたなら、どっちを選びますか?

小杉先生