月刊・教室だより

名物先生によるリレー連載(毎月20日更新)

【連載第191回】

冬越しできました

 前回、半年前にバナナとアセロラ冬越しの準備をしたことをお伝えしました。桜の咲く前にぐるぐる巻きにしたプチプチやビニールを取り除き、魚用のトロ箱から取り出すとバナナの下の葉は枯れはてて茶色になっていましたが、単子葉植物の特徴である楊枝のような先頭の棒の部分は緑色でまだ生きていそうです。アセロラはすべての葉を落としていました。
 1か月後の4月中旬、バナナのほうは緑が濃くなった気がしますが相変わらず棒のままです。アセロラは若葉が大きく茂ってきています。冬の寒さが例年より緩かったので生き延びたのかなと思っています。夏までにどれだけ大きくなるのか楽しみです。もし実がなったらみんなにも持っていきたいですね。
 今年は香木に興味を持ち沈丁花、ロウバイ、ヘルマンニアなどを身の回りに置き成長を楽しんでいます。幼少期に紫モクレンが咲いていた頃、いい香りがしていたのを思い出します。でもその香りが沈丁花から漂ってくるのを知ったのはずっと後のことです。香りは時に昔の記憶を呼び覚まします。朝のベランダは植木鉢でいっぱいで小さな植物園のようです。近くに大きな公園や、市民農園があるので野鳥のさえずりが鳴り響きます。ここに椅子を置き座って植物に水をやりながら一時を過ごすのが贅沢なひと時です。
 拙宅は練馬にあります。あまり人気のない地域ですが緑が多くいなかっぽいところが気に入っています。園芸店も十軒ほどありひやかすのが楽しみの一つになっています。これから毎日季節が加速度的に動き出します。楽しみが一つ増えました。

藤田先生