月刊・教室だより

名物先生によるリレー連載(毎月20日更新)

【連載第195回】

こんなところで「宮地先生?」

夏期講習前半戦が終り、北アルプス遠征に出かけました。蝶ケ岳への登りの準備をしていると、後ろから「宮地先生?」の声。(こんなところで宮地先生?)と振り返ると、教え子の一ノ瀬君でした。まさかこんな場所で会えるとは! 思わぬ場所での10年ぶりの再会に感激しました。→写真

塾で教え始めて30数年、直接教えた生徒だけでも1000人は軽く超えます。大学に進んだあとも地元の中野でアルバイトしている教え子も多く、カフェ・書店・マクドナルド・カラオケ店・居酒屋などいたるところで「宮地先生?」と声をかけられます。うっかり悪いこともできません。

以前、うなぎ屋に入った時に、出てきた店員さんの一人が教え子の男の子。「宮地先生?」とびっくりしていましたが、店の奥から店員の女の子が「え、宮地先生!?」といいながらまた出てきて、「えっ・・早稲田学習教室で習ってたの?」「えっえっ、そうだったんだ!」と二人で顔を見合わせたことがありました。二人とも互いのことを知らずに働いていたそうです。話が盛り上がること、このうえなし!

地元の因島に帰省した際、隣の島に渡るフェリーで教え子の女の子に会った時には本当に驚きました。お父さんの実家だそうでした。今のところ、この広島県での偶然の再会が、一番塾から距離が離れている場所です。

それ以上に驚き、参ったのが、まだ30代の頃に、当時つきあっていた女性とコンサートの帰りにお茶の水のキリンシティに入った時のこと。カウンターに腰をおろしたら、目の前にいたビアマスターが、細い目を大きく見開いて、「宮地先生?」と。5年前まで教えていた男の子でした。勘弁してくれ、教え子を目の前にしてどうやって彼女と会話しろっていうの! しかも「これ俺からのおごりです」とウインクしながら、ブラウマイスターを注いでくれるし。余計なことしなくていいからっ、と思いながらも嬉しかったです。

塾生だった頃には毎週会うのが当たり前だった教え子たちも大学生になり、社会人となるとなかなか会う機会が少なくなりますが、時折、塾に教え子たちが遊びにきてくれることがあり、それが我々講師の大きな喜びになっています。思わぬ場所でばったり出会うサプライズも感動的。生徒の皆さん、卒業後に私をどこかでみかけた時には遠慮せずに「宮地先生!」と声をかけてくださいね。

宮地先生