教室だより5

専任講師陣によるエッセイ(毎月20日更新)

【連載第5回】

数学を美しく解く

 「脳力トレ」ブームの影響で、最近は、その手のテレビ番組が多くなっています。その中で、数学的な視点から見ても面白い、お勧めの番組があります。それは、木曜の深夜1時頃からフジテレビで放送している『北野武のコマネチ大学数学科』という番組です。
 これは、北野武・現役東大生2人組・たけし軍団の3チームに分かれて、1つの数学の問題を“美しく”解くというものですが、そこで扱われているのは、「フィボナッチ数列」や「美術館問題」といった、数学の世界では有名な問題が中心です。
 大学入試の問題としても、過去に出題されたことがあるものもあります。大学受験、特に理系の人は、勉強の面からも見ておくといいでしょう。

 見ていると、北野武さんの数学のレベルの高さには驚かされます。東大生はさすがといった感じでほとんどの問題を解き上げていくのですが、北野さんも互角に渡り合っており、時には、東大生をもしのぐ解法を見つけ出したりしています。
 たけし軍団はというと、場合の数などは、具体的に数えたり実験したりして答えを導き出すというやり方です。これもまた、何時間もかけて実験したりしているので、面白いのです。

 番組の最後に数学者が解説を行うのですが、とても分かりやすく説明してくれるので、高校生なら、ほとんどの問題は理解できるのではないでしょうか。解法だけではなく、そこで扱われている数学的な知識が、実社会でどのように利用されているのかも教えてくれます。「数学なんて、計算以外、何の役に立つのか?」と日頃から思っている人も、見れば納得といった感じです。
 高校生、特に大学受験生は、ぜひ見てみてくださいね。

相原先生