教室だより6
専任講師陣によるエッセイ(毎月20日更新)
【連載第6回】
いま、新撰組が熱い
最近の中学生や高校生の話を聞いていると、「新撰組」にとても詳しいことに驚かされます。授業の合間の雑談の中にも、ごく普通に、新撰組隊士の名前が飛びかっています。その原因は「大河ドラマ」と、アニメ「銀魂」人気にあるのでしょう。ノートに沖田総司のイラストを描いている女の子は、以前からちらほらとはいました。しかし大河ドラマ後は、土方歳三や山南敬助のファンが急に増えたように感じます。また、「銀魂」で新撰組を知った子たちは、彼らに“カッコ良さ”より“笑い”を求めているようです。
この夏、私は、京都の壬生(みぶ)にある八木家に行ってきました。八木家は、新撰組発祥の地です。他の観光地とは違い、来ている人たちはみな、観光客というより、聖地を訪れる巡礼者のようでした。もっとも、すぐ隣の壬生寺の寄せ書きノートは、修学旅行生の描いたイラストで埋めつくされていましたが。
日本史の授業での一番人気は、個性豊かな武将たちが次々と登場する“戦国時代”と、昔から相場は決まっていました。それに比べて、今ひとつ人気のなかった“幕末”にスポットライトが当たり、興味を持ってくれる人たちが増えてきたことは、とにもかくにも素晴らしいことだと思っています。
小杉先生 |