相原先生の部屋

 

算数・数学担当の相原です。さまざまな問題が解ける楽しさ・気持ちよさを味わってもらうような授業を心がけています。

【 数学を美しく解く 】

 「脳力トレ」ブームの影響で、最近は、その手のテレビ番組が多くなっています。その中で、数学的な視点から見ても面白い、お勧めの番組があります。それは、木曜の深夜1時頃からフジテレビで放送している『北野武のコマネチ大学数学科』という番組です。
 これは、北野武・現役東大生2人組・たけし軍団の3チームに分かれて、1つの数学の問題を“美しく”解くというものですが、そこで扱われているのは、「フィボナッチ数列」や「美術館問題」といった、数学の世界では有名な問題が中心です。
 大学入試の問題としても、過去に出題されたことがあるものもあります。大学受験、特に理系の人は、勉強の面からも見ておくといいでしょう。

 見ていると、北野武さんの数学のレベルの高さには驚かされます。東大生はさすがといった感じでほとんどの問題を解き上げていくのですが、北野さんも互角に渡り合っており、時には、東大生をもしのぐ解法を見つけ出したりしています。
 たけし軍団はというと、場合の数などは、具体的に数えたり実験したりして答えを導き出すというやり方です。これもまた、何時間もかけて実験したりしているので、面白いのです。

 番組の最後に数学者が解説を行うのですが、とても分かりやすく説明してくれるので、高校生なら、ほとんどの問題は理解できるのではないでしょうか。解法だけではなく、そこで扱われている数学的な知識が、実社会でどのように利用されているのかも教えてくれます。「数学なんて、計算以外、何の役に立つのか?」と日頃から思っている人も、見れば納得といった感じです。
 高校生、特に大学受験生は、ぜひ見てみてくださいね。


【 文章問題 】

 数学には、文章のまぎらわしい問題がいくつもあります。例えば、

① 袋の中に赤球4個、白球3個入っています。A、Bの2人が、この順に1個ずつ取り出すとき、Aが白球、Bが赤球を取る確率を求めよ。
② ①と同じ条件で取り出すとき、Aが白球であったときのBが赤球を取る確率を求めよ。

 ①、②ともに、高校1年生で学習する「確率」の問題です。この分野は、その前に扱う「場合の数」とともに、問題文の意味が分かりにくく、苦労した人もいるのではないでしょうか。

 ちなみに①は、これから2人が取り出す状態での確率を求めるといったもので、3/7×4/6=2/7と求まります。

 ②は条件つき確率というもので、Aが白球を取り終えた後の確率を求めるというものです。つまり、袋の中に赤球4個、白球2個入っている状態から、Bが赤球を取る確率だけを考えればよいのです。したがって、4/6=2/3と求まります。ちなみに、この条件つき確率は、逆の「Bが赤球を取ったとき、Aが白球を取っていた確率」といったものも求められます。(答えは1/2)

 このように少しの文章の違いで求め方がまったく異なる問題が入試問題などでもいくつも出てきます。受験生は、そろそろ志望校の過去問などに手をつけ始める段階に入ってくる頃だと思います。問題文をしっかりと読むようにして、細かい部分を見落としてミスをしてしまうことのないように気をつけて下さいね。


【 数遊び 】

 小学4年生で学習する算数の中に、「計算のきまり」という単元があります。これは、カッコや四則計算が混ざって出てきた時に、どの順番で計算をしていくかを学習していく単元です。
 私はこの単元を授業で扱う時に、必ず「数遊び」のようなことを取り入れています。それは、一人の生徒に1桁の数字を4個決めてもらい、みんなでその数字を使った計算式で答えが10になる式を見つけるというものです。これは10パズルや切符ゲームという名前がついている遊びで、私が小学生や中学生の頃は、電車の符号に書いてある4桁の番号や車のナンバープレートの4桁の番号の数字を使ってよくやっていました。今は切符を買って電車に乗るよりも、ICカードに現金をチャージして乗るという子が多く、中には切符を買ったことがないという子もいます。なので、日常の中での数遊びというものは、昔に比べて少なくなってきているようです。ただ、生徒達に聞いてみると、ほとんどの学校で「ジャマイカ」という同じような数遊びをする道具があるそうです。
 「ジャマイカ」は、中心に10~60の10の倍数が書いているサイコロがあり、その周りに1~6が書いてある黒いサイコロ1個と白いサイコロが5個あるそうです。それらを回転させて出た目の黒のサイコロの合計になるように、白いサイコロで式を作っていくんだそうです。私の時代は4つの数字だったので、今の方が難易度は上がっているようです。ちなみに私が遊んでいた10パズルの方ですが、0000~9999までの1万通りの数字の中で、10が作れるものは8147種類あるそうです。ネットで探してみると、数字を入力すると、作れるものは式を答えてくれるというものもありました。便利な世の中になりましたね。
 他の数遊びをもう1つ。同じ数字を何個か使って、答えが1、2、3、…となる式を順番に作っていくというものがあります。これは最もよく使われるのは4を4個使って作るというものですが、4を2つ並べて44と2桁にしてもよかったり、特別ルールを設けてやることもあります。特別ルールなしにカッコと+-×÷と1桁の4を4つ使うだけで答えが1~9になる式はすべて作れます。興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。