藤田先生の部屋

 

みなさん、こんにちは。藤田工人です。塾では、算数・理科・数学・物理・化学を担当しています。
空気、水に次いで大切な、植物に興味があり、レモンやブルーベリーなどの果樹を中心に、いろいろ育てています。なんでも試したもの勝ちの精神で、日々格闘し、悦に入っています。

ロープウェイ模型

 皆さんはタミヤ模型を知っていますか。主にプラモデルやラジコンを作っているメーカーです。子供時代には、漫画やプラモデル作りが男の子の遊び方でした。もちろんスマホなどはありません。私は少年向けドラマの先駆けであるサンダーバードのプラモデルを作って遊んでいました。その中で、タミヤ模型は別格の模型でした。特に戦車が素晴らしく、キャタピラーを一つ一つ手作りするなど凝った作りで本格的でした。
 たまたま化学実験を検索していたところ、タミヤ模型のロープウェイ工作セットが目に留まり購入しました。ギヤチェンジで往復運転がキャッチコピーです。千円足らずのキットですが、完成するまで2時間、結構楽しめました。
<駆動系>
 ロープウェイは山頂駅または麓駅に動力があり、ロープを巻き取りながら回転させて搬器を上下に動かします。この模型では搬器の中にモーターを搭載しています。動力は模型用モーターの代名詞マブチモーターです。小学生時代はこの会社のモーターにお世話になりました。水中モーターというのもあって、船を動かすことが出来ました。モーターを分解すると、湾曲した2つの永久磁石とエナメル線をまいたコイルがあり、子供ながら技術者になったような気がしました。
<伝達系>
 モーターの回転数は速いので、ピニオンギアで減速させます。これと3つの歯車がかみ合わさるさまはザ・機械という感じです。この模型の最大の売りである自動往復運転は、前後に動く棒状スイッチが下にあるカムを左右に切り替えてモーターの回転を逆方向に転換するところにあります。私はこの調整に手間取って、完成させるのは駄目かなと思うこともありました。ねじを締めなおし、グリスを適切に塗布した挙句,模型は完成しました。
 たこ糸を空中に張りロープウェイを駆動させると、歯車音を立てながら左右の円盤にぶつかるたびに方向転換して見事ロープウェイは動き続けました。作ってみて感心するのは、接着剤を使わずに組み立てられたことです。子供たちも楽しめそうです。
 夏休みの宿題で、友達とクレーン車を作り選ばれて、校長室に展示されたことを思い出します。あの時も、角材や滑車の調達には、地元の模型屋さんのお世話になりました。昔は渋谷の百貨店の屋上にもロープウェイがあったそうです。乗ってみたかったですね。


面白い、ためになる入試問題

 問題集をめくっていたら、いい問題があったので紹介したいと思います。私立高校の入試問題です。少々長いですが引用します。多少短くアレンジします。

 視力検査では「ランドルト環(アルファベットのC)」が用いられています。ランドルト環は輪の一部が途切れた形をしています。視力検査表には5m用と3m用があります。5m用の場合、視力は、認識できた最小のランドルト環の開口部の幅を用いて、
 視力=1.5÷認識できた最小のランドルト環の開口部の幅(mm)
と表せます。
 3m用と5m用は、ランドルト環の高さが試験者からの距離に比例するよう設定されています。

【問題】
 3m用の視力検査表の視力0.5のランドルト間の開口部の幅は何mmか。

【答え】
 視力の式より、視力0.5のランドル環の開口部の幅は1.5÷0.5=3.0(mm)であるから、3mでは、3.0:x=5.0:3.0 より、x=1.8mmとなります。

 ところで視力検査には、赤と緑の背景の中に黒の二重丸がかかれているものがあります。「赤と緑のどちらがはっきり見えますか」と、メガネ屋さんで聞かれますね。この検査を「2色テスト」といいます。光が目の中のレンズを通るときに屈折して、緑色光は赤色光より大きく曲げられて屈折します。この時、赤色光は緑色光に比べて焦点距離が(1.長く・短く)なります。目の中では、赤色の像は緑色の像より(2.前方・後方)にできています。
 2色テストでは、近視のときに、度数がちょうどいいときは赤色と緑色の二重丸は同じくらいにはっきり見えますが、レンズの度数が弱いと、(3.赤色・緑色)の二重丸がはっきり見えます。このように、最も合った度数のレンズを調べるのが2色テストです。

【問題】
 ( )にあてはまるのはどちらですか。

【答え】
 1.長く  2.後方  3.赤色

 いかがでしたか。視力検査にまつわる知識を得られ、新鮮な気持ちになりました。このようなことは、学校の保健体育や理科などでは教えられているのでしょうか。私はランドルト環なる言葉を初めて知りました。
 いつもお世話になっているのに、なかなか知らないことがテスト問題によって明らかにされる。ためになる面白い問題でした。


甘酒とヨーグルト

 2月から世界中を震え上がらせたコロナウィルスもようやく収束しつつあります。この間密集を避ける、マスク着用など感染を防ぐ対策が取られてきました。スーパーでは納豆が品薄になるなど免疫力を高めるために発酵食品が注目されています。
 発酵食品といえば、私は以前からヨーグルトを自分で作ってきました。用意するのは1リットルのパック牛乳と市販の液体ヨーグルト、R-1が使いやすい。そして温度を一定に保つ電動ヨーグルトメーカーです。ヨーグルトメーカーは3千円ほどの値段で通販などで購入できます。
 作り方は簡単です。牛乳パックの上部を開いて、加えるヨーグルトの分、牛乳を減らします。牛乳パックの中に液体ヨーグルトを半分くらい入れます。残りは飲んでもいいし牛乳の固まり方が遅いときの継ぎ足し用にします。ヨーグルトメーカーにセットした後電源を入れて温度を40度、時間を8時間に合わせます。時間が経つと固まって絹ごし豆腐のようになれば完成です。液体のままだったら残りの市販ヨーグルトを足してタイマーをさらに数時間後にセットすれば固まります。
 うまくできたら味見してみましょう。温度や時間によって毎回少しずつ違ってきますがプレーンヨーグルト風の味であれば成功です。私はシナモンとオリゴ糖を混ぜて食べています。何回か食べてなくなったら残ったヨーグルトを新しいパック牛乳に入れて機械をセットすれば8時間後に次のヨーグルトができて事実上無限にヨーグルトが作れます。ただし雑菌が混じることがあるので毎回新しい材料で作るほうが正しいのは言うまでもありません。
 同じ機械で甘酒も作れます。この場合発酵の最適温度は60度ですので60度まで目盛りのある機械でないと作れません。用意するのは炊きたての御飯と水、それに米こうじです。米こうじはスーパーなどで売っています。炊きあがったご飯を縦長の耐熱ガラス容器に入れ水を加えて60度くらいに冷まします。その中に米こうじをひとつかみ入れてかき混ぜます。ガラス容器を機械にセットして温度を60度時間を13時間にセットすればあとは待つだけです。固形の御飯がお粥状になったら出来上がりです。面倒ですがよく洗った牛乳パックでも大丈夫だと思います。冷蔵庫で冷やして食べてみるとなんとも言えない甘さが感じられます。
 甘酒もヨーグルトも身近な材料で安価に作ることができます。こうじも一袋で5回分作れました。本来こうじ菌は時間ごとに倍々で増えていくので大量に入れる必要はないのです。生物学的に言えばヨーグルトは乳酸菌による発酵であり、甘酒はこうじ菌により米を糖化したものです。甘酒の温度が高いのは乳酸菌の増殖を防ぐためです。
 幼少の頃父親がよく甘酒を造っていました。昔は温度管理が難しくうまくいかないこともあったようです。いまは便利な機械があるので一年中甘酒やヨーグルトを楽しむことができます。神田明神の参道ぞいに甘酒店が並んでいますが自分の甘酒もそれに劣らないいい味がします。