高橋先生の部屋(バックナンバー1)

 

 俳句日日録 その一  (2023年3月1日)


 オリヲンの真下春立つ雪の宿    前田普羅

私は日頃、俳句を読んだり作ったりして楽しんでいます。このホームページでも「教室だより」№182に「川端茅舎(かわばたぼうしゃ)の“メルヘン俳句“」という文章を載せているのですが、ここで定期的に俳句について書いてみようと思います。

日本の暦に二十四節気というものがあります。天気予報で耳にする程度という方が多いと思いますが、立春から大寒まで、およそ半月に一つずつ、進んでいきます。俳句を作る者には参考になる時間の区切りです。春は立春(今年は2月4日)、雨水(2月19日)、啓蟄(3月6日)、春分(3月21日)、清明(4月5日)、穀雨(4月20日)の六つ。3月初めころの「啓蟄」は、虫やカエルが這い出てくる時期として知られていますね。今回は立春から雨水にかけて作った俳句を上げてみます。

  立春五句

 立春の夕べ明星の輝ける

 立春の卵この日に子にかえる

 春寒に幼なじみと道であう

 手を置けば冷たき土に蕗の薹

 音たてて固き歩道に冴え返る

 旧仮名遣いと新仮名が混在しています。不統一なのですが、その時の口調、気分のしっくりくる方で記述しています。次回は立夏の頃に。